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ホテル奥道後愛媛県松山市
道後の奥座敷で、賓客の気分を味わうひととき。 1 2

名物の地鳥の網焼き。あっさりした味わいのホロホロ鳥、歯応えのしっかりしたキジ、骨付きうずらの三種を、その場で炭火焼きにしていただく。


先付けに出てきた鴨頭葱は、奥道後で栽培している新鮮なもの。滋養強壮に役立つといわれ、酢味噌でいただくと美味。牡蠣やワタリガニなど、旬の高級素材をおいしく食べさせてくれるのもうれしい。


ちょっと熱めの湯にじっくりつかっては、デッキチェアでほてった体を冷ます。そんな贅沢なひとときを時間を気にせず過ごせるのも個室にある露天風呂ならでは。浴槽は、檜のほかに特注の信楽焼きのタイプも。


奥の畳の部屋の右手が、すぐ露天風呂。展望露天風呂付きの個室は、写真のような和洋室と洋室の2タイプがある。
  茶室としては、全国的にも珍しい二階建て。一階には八畳の広間と三畳台目の小間、二階には待合がある。小間の天井には松の生節、床柱にはツツジの木、待合の天井に黒柿が使われるなど、いかにも大名好みの庵だ。「本来なら文化財級の建物なんです。でも本当に文化財に指定されてしまっては、お客様にお茶を愉しんでいただけない、と坪内翁がわざと一部を新しく手直しさせたんですよ」と、お点前を見せてくれた茶道の先生が故人を懐かしむ。「観光産業はびっくり産業だ」というのが坪内翁の口癖だったようだが、驚かされるのはそれだけではない。

 料亭「坪中川」は、東京赤坂の名料亭をそっくりそのまま移築したもので、その移築費用は一億二千七百万円にもなったという。時の流れの中で廃業することとなったのを惜しまれた坪内翁が女将の相談にのり、この地で再び料亭としての命を吹き込んだのだった。

 夕食をここでいただいたのだが、かつて日本の財閥や政界の重鎮たちが膝を交えた場所で、ゆったりと食膳を味わう気分はまた格別。次々と運ばれてくるのは旬を生かした懐石料理で、目も舌もたっぷりと幸せな気分にしてくれる。しかもボリュームもかなりなもの。坪内翁がずいぶんと健啖家だったらしく、自分が満足するだけの食事をお客様にもお出しする、というのが習いとなっているようだ。

 昭和26年に建てられたというこの料亭。料理はもちろん、忘れかけていた日本建築の良さも存分に味わいたい。

 さて、今回予約を入れたのは、昨年12月に新しく完成した展望露天風呂付きの個室である。和テイストで落ち着いた雰囲気の客室は全部で6室。いずれも二間から三間分はある、ゆとりの構成だ。

 眼下に谷川の渓流を聞く露天風呂は、居間のすぐ隣りにある。はらりと浴衣を脱ぎ捨てて、特注の檜の風呂につかるまで数秒とかからない。浴槽にもたれ、山の風に当たっているのは、なんとも心地よいものだ。

 透明なお湯は源泉100%の天然温泉で、薄めも循環もしないかけ流し式だ。美人の湯として知られるだけに、たしかに肌にやさしい。自室の風呂で十分に満たされてしまうが、せっかくなので大浴場へも足を運んでもらいたい。ここの大浴場には露天風呂もあるが、圧巻は亜熱帯の植物が生い茂る中に、岩ぶろ、打たせ湯、サウナなどが点在しているジャングル温泉だ。

 もちろん、このユニークな温泉も坪内翁のアイデアである。


ホテル奥道後

愛媛県松山市末町267
TEL089−977−1111
宿泊/展望露天風呂付き客室
1泊2食付き(1室2名利用)1人23,150円〜
(税・サ・入湯税込)

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※文・写真は四国旅マガジンGajA019号』(http://www.kk-spc.co.jp/gaja/)からの転載です。基本的には発売した2004年2月1日時点のデータですので、現在は変更になっている場合もあります。なお、住所・電話・料金は2005年7月15日現在のものに更新しています。あらかじめご了承ください。
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