
大浴場には、海洋深層水風呂だけでなく、アルカリ性単純温泉をひいた温泉、サウナ、水風呂も。さらに女湯には、ナトリウム分が豊富で肌の保湿性にすぐれた「軟水風呂」まであり、ホテルの風呂としては、かなりの充実度。

木漏れ陽が射し込む、海洋深層水の露天風呂。専門家のアドバイスを受け、原水と真水をブレンドし、肌にやさしい濃度にほどよく調節されている。


アペリティフからオードブル、メインディッシュ、デザートに至るまで、すべてに海洋深海水を使った和洋折衷のコース料理。室戸沖でとれた伊勢海老、龍馬茄子、土佐和牛など、地ものの素材も堪能できる。
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ソテツにフェニックス…、南国の植物に彩られた緑の庭園を取り込んだ開放感たっぷりの湯殿…。しかし、ここの風呂はその造りやしつらえというより、まずは湯そのものに注目したい。じつはこれ、日本初の海洋深層水を使った露天風呂なのである。
そもそも海洋深層水とは、水深二〇〇メートル以上の深海にある水のこと。ほぼ二千年をかけてゆっくりと世界の深海を巡っている。日本では、室戸沖をはじめ、沖縄や富山などで海流が自然と海面近くに沸き昇っているという。ホテルに近い室戸市は、日本で最初に本格的な海洋深層水研究所がつくられた場所で、日本有数の取水地である。
ここの湯は、その室戸の海洋深層水をタンクローリーで運んできたもの。天然の海水を汲み上げて沸かした、いわゆる『潮湯』には入ったことがあったが、海洋深層水の風呂は未体験である。どれどれと、じんわり肩までつかると、ほんのり潮の香りが鼻をついた。試しになめてみると確かにしょっぱい。潮湯に比べ、湯自体が幾分重くぬめりがあるような気がする。とはいっても、塩のべたついた感じが湯上がりに残ることもなく、肌はさっぱりなめらかだ。
そもそも海水は、母胎内の羊水と成分がよく似ていることから、心身への健康増進効果や治癒効果が古代ギリシャ時代から注目されてきたという歴史がある。しかも海洋深層水は、深海を還流しているので、普通の海水よりも不純物が少なくきれいで、ミネラルも豊富というわけだ。
深海の神秘のパワーをたっぷり浴びた後は、十三階のスカイレストランで少し早目のディナータイムだ。窓越しに太平洋が雄大な姿で出迎えてくれる。真っ直ぐに伸びる水平線、白波が打ち寄せる青い海、そして緑の松林…。当日はあいにくの曇り空で、楽しみにしていた夕日を拝めなかったのは残念だが、それでもホテル最上階からのロケーションはかなり感動的。しかも、ここでいただく夕食も海洋深層水を使った料理と聞いて、またまた好奇心が騒ぎ出した。
次々と運ばれてきたのは、深層水仕立てのユズ酒、深層水育ちの鯛のお造り、深層水の豆腐蒸し、ノルウェーサーモンの深層水塩マリネ、深層水仕込みゴマドレッシング掛けの土佐和牛網焼き、深層水使用の季節のお茶漬け、深層水仕込みのジュレ&ブリュレ…と見事なほどに完璧な深層水づくし。
しかし見た目が特に変わっているというわけではない。違うのは、使われている水や塩なのだから、一見で分からないのは、考えてみれば当たり前のこと。正直、実際口に入れても、「なるほど、これが深層水の料理か」と、明確な違いを感じることはできなかった。とはいうものの、どの一皿一皿も、実に美味いのだ。
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