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名建築でやすむ。
オーベルジュ土佐山
◎オーベルジュ土佐山
高知県高知市土佐山東川661
TEL 088−850−6911
宿泊料/ホテル棟1泊2食付15,750円〜、ヴィラ1泊2食付18,900円〜

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 平成17年、高知市に合併した土佐山村にある『オーベルジュ土佐山』で、「土佐派の家」という言葉を耳にした。これは社団法人高知県建築設計管理協会が、高知の建築家とともに進めている事業で、地場で生まれた自然素材を使うことで、高知の厳しい自然と共存する家を提供しようという動きだ。具体的には土佐漆喰、土佐和紙、土佐瓦、そして土佐の木材を使い、昔ながらの技法で建てられてゆく。「細木建築研究所」が手がけた『オーベルジュ土佐山』もまた「土佐派の家」の一つである。

 地上2階建てのこのホテルは、「第9回公共建築賞優秀賞」、「木材利用推進中央協議会優良木造施設会長賞」、「第2回高知県いなかデザイン賞大賞」を受賞するなど各方面から高い評価を受けている。館内のどの場所にいてもせせらぎ、風、光が感じられるが、このような豊かな自然の中にあるというスケール感をキープするために、ゾーン毎に棟を分けているのがデザインの大きな特徴だ。

 個人的にはバーの居心地のよさに心を惹かれた。ガラス張りになったバーカウンターの奥には、土佐山の緑が広がる。刻一刻と色を変じるその景色を眺めながら、薄暮の色をしたカクテルを味わうのがいい。

 客室にテレビが置かれていないのは、この宿の特徴のひとつ。心地よい酔いに身を任せたら、テレビなどはもはや不要。いい音楽に耳を傾けながら、無為の時間を過ごす。これを贅沢と呼ばずして何と表現すればいいのか。インテリアのイメージは和洋折衷で、イタリアの家具に古布のファブリック、デンマーク製のオーディオ機器が違和感なく調和している。これらの調度を結ぶキーワードは「伝統」と「上質」であり、それは「土佐派の家」のコンセプトにも通じるものだ。

“オーベルジュ”という冠とその佇まいに、気取った雰囲気を想像しがちだが、もてなしはあくまでも“ひと肌”の感覚。地元の人が気軽に温浴に来るという庶民的な顔も持ち合わせている。土佐の気候、自然と共存する宿では、土佐の人情ももてなしのスパイスになっている。

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※文・写真は『四国旅マガジンGajA023号』(http://www.kk-spc.co.jp/gaja/)からの転載です。基本的には発売した2005年2月1日時点のデータですので、現在は変更になっている場合もあります。なお、住所・電話・料金は2005年5月15日現在のものに更新しています。あらかじめご了承ください。
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