| 小松町のはずれ、山の麓で約1万坪の敷地を誇る香園寺は、聖徳太子ゆかりの寺。しかし寺とはいえ、お遍路さんを迎えるのは鉄筋コンクリート建ての大聖堂(本堂・大師堂)。設備も十分に行き届いており、札所とは思えないモダンなたたずまいだ。その現代的な雰囲気に反して寺の歴史は古く、用明天皇(585〜587)の病気平癒を祈願して聖徳太子が創建したと伝えられている。この時、金衣白髪の老翁が飛来、御本尊の大日如来を安置した。天平年間(729〜749)には行基が、大同年間(806〜810)には弘法大師が来錫。大師が寺の麓にさしかかった時、1人の女性が難産で苦しんでいた。大師が栴檀(せんだん)の香を焚いて祈祷したところ、玉のような男児が誕生したという。そこで大師は唐から持ち帰った一寸八分の大日如来の金像を本尊の胸に納め、唐木栴檀の香を焚きながら安産、子育て、お身代わり、女人成仏の四請願と秘法を寺に伝えて霊場に定めた。栴檀山の山号は、この由来からつけられた。一時は七堂伽藍、6坊を備えていた寺だが、長宗我部元親による天正の兵火で堂宇を焼失。大正2年に再建された。大正の初期には当時の住職・山岡瑞園師が子安講を創始。子安大師の四請願を旗印に、国内及び海外を行脚。全国に20万人の講員を獲得した。子安大師は、現在に至るまで多くの人から「子安の大師さん」と信仰を集めている。寺の建物のいたるところには、この寺のご利益で子宝に恵まれた人から奉納された赤ん坊の写真が飾られている。その数は年間数千にも及ぶとか。その奉納写真の数だけ、元気な赤ちゃんが誕生したと考えると、何だか微笑ましくなる。 |

▲境内には歴史を感じさせる石碑も


▲大聖堂でお参りを |